当院のような訪問鍼灸リハビリマッサージもそうですし介護施設やデイサービスもですが、何気ない一言が医療や介護、福祉のサービスを使う高齢者やそのご家族に勘違いさせてしまっていることがあります。
紹介者や相談員または営業マン、ケアマネなどもそうかも知れませんが、例えばデイサービスの売りを伝えるとしたら何と言っていますか?
デイサービスを使うあなたやご家族は、デイサービス使用や訪問マッサージやリハビリを使用する意味やメリットをどのように聞き受け取ったのでしょうか?
介護や医療を受けるあなたもサービス提供側にも問題はあります?

結論からお話しすると勘違いを生じさせる勧誘はダメと言うことと、デイサービスなどを使うあなたやご家族もしっかりとした説明を受けないでイメージだけでメリットなどを受け取らないことです。
サービス提供者や紹介者が「デイサービスに通えば運動にもなるから良いですよ」などと勧誘します。
体操の時間などがあるので全くの嘘ではありませんが利用者へシッカリとご説明がない場合、「デイサービスに通えば歩けるようになるんだ」と少し飛躍した自分に都合の良いように解釈されているケースが良くあります。
それについても「そうね。運動になるからね」と言った曖昧な返答をすると後々ズレが生じて、利用者は「歩けない」「デイサービスは意味がない」などと言って行かなくなってしまいがちなんです。
私も聞かれることがあります。
「訪問マッサージをしたら歩けるようになる?」
ここで安易な答え方をするとズレが生まれます。
希望が歩くことで歩ける可能性があるのであればマッサージをし運動をして、歩行ができるようにサポートします。
ですが!
先ほどの質問に答えるとしたら「否」です。
「訪問マッサージをしても歩けません」になります。
ここで大切なのは利用者の理解です。
「〇〇さん私は訪問マッサージを通して〇〇さんの運動などをサポートしますよ」
「でも歩けるようになるかは〇〇さんがどれだけ努力するかです」
「訪問マッサージにしろデイサービスにしろそれを〇〇さんがどう使用してどう頑張るかにかかっているんです」
と言うやりとりになります。
ですが、良くあるのは歩きたい〇〇さんの思いだけ汲み取って、あそこのデイサービスに行けば運動になりますよと簡単に言ってしまいがちです。
これも実際に聞かれた話ですが、「先生デイサービスに言ったら動けるようになるの?」「ちょっとしか体操しないから家で先生のマッサージを受ければ良いと思うんだよ」と。
「デイサービスに行けば動ける」と断言出来ないと私は思いますが、勧誘なり紹介者は利用者のことを思い良かれと思って安易にそう言ってしまうからおこるトラブルです。
私は「〇〇さん骨折した時のような集中して大変なリハビリと同じことはデイサービスではやらないですよね?」
「やれないとも言えるかもですがデイサービスでするソレは病院の急性期リハビリとは違いますよ」
ですから「〇〇さんがイメージされるようにわかりやすく筋肉がつくとか改善するとか動けるようには厳密にはならないかもですね」
「誰かの説明が悪かったのかも知れませんがデイサービスは動けるようになるために行くと言うよりは、動けなくならないために行くと言うイメージの方が私的には合っていると思います」
「勘違いして欲しくないのはデイサービスの運動がダメってことではないです。座ったままの体操も真剣にやったらかなり大変ですよね?」
「そうです。〇〇さんが自分から頑張ってデイサービスなり訪問マッサージを利用するとかなり変化できると思いますよ」と。
提供されるもので自分が変われると他責なイメージがある利用者が一定数いるのは、我々医療介護福祉側にも問題があると思います。
そこは認めた上で利用者にも自分で選んだ責任を再確認し、自分が望む短期長期目標を自分が頑張って取り取り組めるようにサポートしなくてはなりませんね。
「〇〇さん、訪問マッサージは毎日来れないけど来ない時はデイサービスでやっている体操を自宅で必ずやれますか?まあやれませんよね?」
「デイサービスだと座って脳トレやっていますが自宅では〇〇さんはベッドに横になっちゃうでしょ?」
「デイサービスだとちょっと億劫かも知れないけど杖をついて気をつけながらトイレまで歩くでしょう?家だと目の前のポータブルトイレで済ませちゃうこともあるよね?」
「体操だけが運動じゃないんですよね。一日デイサービスに行ったらそこそこ疲れるのは椅子に座って過ごしたりトイレに歩いたり職員やお友達と話すことがリハビリであり運動なんですよ」
「家にいたらどんどん悪くなります」
「とは言えお病気をしたり体力や筋力が弱く疲れやすかったりするから、訪問マッサージを使ってデイサービスのない日に痛みを取ったり調子が良い時は運動を増やしたりしてより安定した日常生活を送れるようにするんです」
「これだけで良いのではなくて、使える良いものを総動員して元気でいられるようにすることが大事ですよね」
って話をします。
デイサービスも訪問マッサージも病院さえも使い方を考えたら、色々なことが納得出来たり好転出来たりするかも知れません。
ご利用者様だけでなくが家族と話し合ってみるのも良いと思います。
