あくまでも推定と言うことですが、ご高齢の方の寝たきりの人数は世界一だと言われています。
例えば、国内の施設での寝たきりのご高齢者の方は、アメリカやイギリスやデンマークの約3〜6倍だと報告されています。(1989年厚生科学研究特別研究事業「寝たきり老人の現状分析並びに諸外国との比較に関する研究」データ)
国内で寝たきりの方の数は300万人以上で世界一であろうと…
この現状を知り一つの視点として問題だとされているのが日本の医療システムです。
ここで批判したいと言う話ではなくて私たちのような医療や介護や福祉の関係者は問題から目を背けずに、あなたのような患者様の立場やご家族の方はそんな問題があるんだと言うことを理解した上で医療介護福祉サービスを選ばなければならないですねと言うことをお伝えしたいと思います。
医療や介護などいわゆる保険適応になる部分には手厚い?と思われる日本ですが、微妙なゾーンにいる患者様やご高齢の方で保険適応外の方へのサービスは少ない。
入院し退院した後が姿勢や歩きにとって重要なタイミングだったとしても、保険外になった途端にサービスの提供はなくなります。
かつ、問題なのは患者様やご家族は、「治ったからよし」と解釈されてしまい、退院後に必要な運動などに目を向けることをやめてしまう問題があります。
杖やシルバーカーで歩けるようになって退院したから喜ばしい事で「成功」なのでしょうか?
違います。
ちょっと悪く聞こえたら申し訳ありませんが、「歩行」と「杖歩行」「シルバーカー歩行」は違うと思います。
もちろん杖を使ったりシルバーカーを使って歩けることは良いことですし運動できるキッカケになるのも良いことです。
しかしながら「歩行」と言い切るなら。それは「歩行ではありません」。
姿勢良く歩行することと杖やシルバーカーで前傾で歩かれるのが同じなわけがありません。
残念ながら後者の場合は、筋力の低下や重力に負けて、杖→猫背、側湾→シルバーカーや歩行器→車椅子→寝たきりへの道が早いペースで進んで行く可能性があります。
同じ流れを辿るにしても前者のように姿勢良く歩行をしているところまで戻せたとすれば、寝たきりになったとしてもそこに到達するのはかなり遅いペースに出来ると思うんですよね。
しかし…
本当は杖やシルバーカーからの卒業が必要だと思いますが、現状では杖やシルバーカーで歩けるようになって退院したからOK!みたいな空気当たり前になっていますよね。
ちょっと話が難しくなってしまったので、今回はこの辺りにしたいと思いますが…
寝たきりの方や車椅子の方が悪いという話ではなく、その状態でも何かアプローチすることこそがとても大切だと言うことをお伝えしたかったんです。
また、その現状が当たり前では無いかも知れないと言う、ある意味の「疑ってみる」も大切にして頂きたいなと思います。
杖や歩行器、シルバーカーは本当に卒業できないですか?
もしかしたらまだまだ改善できるかも知れませんよね。
そんな簡単な話ではありませんが、放置するのはやめてリハビリサービスや我々のような訪問マッサージの利用も視野に入れてみて下さい。